群馬県信用保証協会

国定駅周辺の道

折々の散歩道

国定忠治ゆかりのレトロなまち並み

伊勢崎市

 ゆるキャラグランプリ2012が発表となりました。第1位は愛媛県今治市のバリィさん、第2位は山口県のちょるる、そして第3位が我が群馬県のぐんまちゃん。前年に比べて参加ゆるキャラ数が349から865、総得票数が333万票から659万票に倍増した中で、ぐんまちゃんは前年の18位から3位へと順位を上げましたが、オリンピックならば銅メダル、つまりメダリストを名乗れるわけですから、大健闘したといえるでしょう。ちなみに、ぐんまちゃんのプロフィールをおさらいすると、現在のぐんまちゃんは1994年に誕生し、かつてはゆうまちゃんといい、2008年銀座に群馬県のPR拠点ぐんまちゃん家がオープンするのを契機に、1983年に誕生した旧ぐんまちゃんの2代目を継承しました。なお、群馬からエントリーしたほかのゆるキャラは、前橋市のころとんが64位、桐生市のキノピーが66位、水上温泉のおいでちゃんが293位、千代田町のみどりちゃんが299位、高崎市のフルーツ忍者ハルナ梨之助が328位、伊勢崎市のもじゃろーが361位、渡良瀬渓谷鐡道のわ鐡のわっしーが364位、安中市のこうめちゃんが374位、館林市のぽんちゃんが395位、前橋市のタンク君が446位、上毛新聞のピュルルンが502位という結果となりました。ゆるキャラの提唱者みうらじゅんさんは、ゆるキャラの条件を「郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること」「立ち居振る舞いが不安定かつユニークであること」「愛すべき、ゆるさ、を持ち合わせていること」を挙げていますが、エントリーしたゆるキャラは、確かにいずれもこの条件に当てはまっていることが分かります。ゆるキャラグランプリにエントリーしていないゆるキャラも、高崎市のタカポンや、太田市のおおたん、富岡市のお富さん、前橋市児童文化センタープラネタリウムのプラネくんなど、まだ県内には探せばたくさんいるようです。

 さて、今回は、JR両毛線国定駅を起点として周辺を散策しましょう。駅南口にある駐車場に車を停め、歩き始めます。南口は比較的新しく整備され、開放感のあるロータリーが広がっています。駅舎を見るため、高架橋を渡って北口に向かいます。駅舎は大正14年築と古く、周辺は南口とうって変わり、郷愁を誘う鄙びた風情が漂っています。線路沿いの道を東に向かうと、県道294号(国定藪塚線)と交差するところに、コインロッカーを活用した珍しい無人野菜販売所があります。県道294号を越えて道なりに進むと、赤城神社が現れます。11月下旬に訪れたのですが、境内では大きなイチョウが鮮やかな黄色に染まり、ぎんなんがたくさん落ちています。戦国時代から続く獅子舞は、しばらく途絶えていましたが、平成19年に地元有志により復活し、伊勢崎市指定重要無形文化財となっています。北側に隣接しているあずま浄水場に足を運びます。スカイブルーの大きな給水塔は、国定駅の辺りからも眺めることができますが、近づくと、コンクリート造りの小さな給水塔が隣に立っていて、まるで親子のようです。すぐ近くを流れている早川沿いの道を南に進むと、間もなく両毛線の線路が現れるので、腰をかがめながらその下をくぐり抜けます。

JR国定駅

JR国定駅

 県道294号にぶつかるので左折し、養寿寺へと向かいます。養寿寺は、国定忠治の菩提寺として知られています。国定忠治は、文化7年(1810)に佐位郡国定村の名主長岡家に生まれ、人傷沙汰や賭場を開くなど悪事をする一方、天保の飢饉の際に私財を困窮する農民に与えたり磯沼を堀り旱魃対策を行うなど、村のために働きました。嘉永3年(1850)41歳で大戸関所で磔刑となり生涯を閉じましたが、正邪の二面性を併せ持った忠治の生き方は、講談や新国劇で取り上げられ「赤城の山も今夜(こよい)を限り、生まれ故郷の国定村や、縄張りを捨て、国を捨て、可愛い乾分(こぶん)の手前(てめえ)たちとも、別れ別れになる首途(かどで)だ」というセリフで評判となりました。その後何度も(20回とも言われています)映画化されたことで、現在の忠治人気が定着していきました。忠治の墓は大きな石碑が建っているのですぐに分かります。近づくと、石碑には「長岡忠治之墓」と刻まれていて、その横に、実際の墓が柵に囲まれています。勝負運を求める人々に削り取られたからか、文字は判読できなくなっています。県道291号(境木島大間々線)を南に進み、鹿島神社に向かいます。ここでも黄葉した大きなイチョウが鮮やかに輝いていました。早川沿いの道を再び進みます。サイクリングロードとして整備されているので、川の流れを眺めながら快適に歩くことができます。途中、左に折れ、農地の中の道を進むと、天神沼が現れます。沼の周囲は桜並木の遊歩道が設えられ、沼の中にはふたつの島が作られていますが、訪れた日には沼の水が抜かれていて、いささか寂しい光景でした。

 みたび早川沿いの道を南に向かい、県道68号(桐生伊勢崎線)に出る手前を右に折れ、静かな住宅街を西に進みます。県道291号を越えると古い農家建築や土蔵が目につくようになります。西福寺や隣接する白狐稲荷神社、そして県道299号を越えて大日堂を眺め、北関東自動車道に沿って走る南側の道を進み、涌水あまが池を目指します。あまが池は、大間々扇状地自然遊水池のひとつで、赤城山の伏流水が湧き出しています。周囲は植栽が整備され、東屋が設置されるなど、居心地のいい空間になっています。県道293号(香林羽黒線)に出て、東に進むと、路傍に六道の道標が立っています。その名のとおり六本の道が交差した辻として、近世以降交通の要衝の地で、元禄10年(1697)と天明元年(1781)に作られた2基の道標があります。県道293号を国定駅へと進み、レトロな駅舎に別れを告げました。
湧水あまが池

湧水あまが池

文/企画課 新井基之

●今回ご紹介したコース