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平成28年度経営計画の評価

 群馬県信用保証協会は、公的な「保証機関」として、中小企業者の資金調達の円滑化を図り、中小企業者の健全な育成と地域経済の発展に貢献してまいりました。

 平成28年度の年度経営計画に関する評価を、下記のとおり掲載いたします。

 この評価につきましては、横田秀治氏(公認会計士・税理士)、石田弘義氏(弁護士)により構成される外部評価委員会の意見・アドバイスを踏まえ、当協会の自己評価委員会により作成いたしました。

 この評価を参考にし、平成29年度の年度経営計画の達成に向け、引き続き業務に邁進いたしますので、関係機関の皆さまにおかれましては、ご理解、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

1.業務環境

(1)地域経済及び中小企業の動向
 県内の景気は、政府・日銀による一連の経済対策・金融政策により、様々な経済指標からは、緩やかな回復基調となっており、一部の大企業は順調に収益を伸ばしているものの、多くの中小企業・小規模事業者(以下「中小企業」という。)においては、依然として厳しい経営環境が続いています。

(2)中小企業向け融資の動向
 日本銀行前橋支店(以下「日銀前橋」という。)の管内金融経済概況によると、県内金融機関の貸出金残高は、一貫して前年を上回る状況で推移しました。また、金利は、下降基調で推移しました。日銀前橋の企業短期経済観測調査(以下「短観」という。)における企業への金融機関の貸出態度判断DIは、一貫して「緩い」が「厳しい」を上回る状況で推移しました。

(3)群馬県内中小企業の資金繰り状況
 日銀前橋の短観によると、全産業における企業の資金繰り判断DIは、平成24年6月期以降連続して「楽である」が「苦しい」を上回る状況で推移しました。

(4)群馬県内中小企業の設備投資状況
 日銀前橋の短観によると、中小企業の28年度の設備投資実績は、製造業、非製造業ともに前年度比マイナスを見込んでいます。29年度の計画は製造業で前年度比マイナス、非製造業で前年度比プラスとなっています。

(5)群馬県内の雇用情勢
 群馬労働局によると、有効求人倍率は、1.48倍(28年度平均 原数値)で、前年より0.20ポイント増加しました。新規求人数は、前年度比で9.5%増と2年連続して増加し、有効求人数も前年度比11.2%増と2年連続して増加しました。

 日銀前橋の短観における雇用人員判断DIは、製造業、非製造業ともに「不足」が「過剰」を上回る状況が続きました。今後も同様の状況が続くと予測しています。

2.事業概況

 保証承諾は、私募債保証、借換保証等については27年度実績を上回ったものの、日銀のマイナス金利政策や金融機関を取り巻く環境の変化等の影響もあり、年度累計は1,074億18百万円(計画比83.9%、前年度比92.6%)となりました。保証債務残高も、金融機関のプロパー融資での取り組みや、保証付融資の繰上償還等が要因となり、3,795億13百万円(計画比97.8%、前年度比90.1%)となり27年度実績を下回りました。

 代位弁済は、79億59百万円(計画比99.5%、前年度比98.4%)となり、7年連続して減少しました。金融円滑化法の終了後もその趣旨を踏まえ、条件変更や借換保証に積極的に取り組んだほか、経営・再生支援の強化が功を奏している様子が窺えます。しかし、依然として条件変更を繰り返す企業が多く、保証債務残高に占める返済緩和中残高の割合が高止まりしていることから、今後の景気動向如何では、代位弁済が増加することも懸念されます。

 回収については、継続的な督促や求償権消滅保証等の事業再生支援による回収もありましたが、担保や第三者保証人のない求償権が増加していることから、非常に厳しい状況が続いており、回収額は16億18百万円(計画比85.2%、前年度比75.2%)となり27年度実績を下回りました。

 平成28年度の主要業務数値は、以下のとおりです。

項 目 件数(前年度比) 金額(前年度比) 計画値(金額) 計画達成率
保証承諾
11,981件(95.1%)
1,074億円(92.6%)
1,280億円
83.9%
保証債務残高
55,043件(92.4%)
3,795億円(90.1%)
3,882億円
97.8%
代位弁済
1,101件(99.5%)
80億円(98.4%)
80億円
99.5%
回収
16億円(75.2%)
19億円
85.2%

3.決算概要

 平成28年度の決算概要(収支決算書)は、以下のとおりです。

項 目 金額(単位:百万円)
経常収入
5,483
経常支出
3,962
経常収支差額
1,521
経常外収入
10,866
経常外支出
11,140
経常外収支差額
▲274
制度改革促進基金取崩額
0
収支差額変動準備金取崩額
0
当期収支差額
1,247

 年度経営計画に基づき保証業務の適正な運営と経営の効率化に努めたことに加え、代位弁済が減少基調にあること等から、収支差額は12億47百万円の黒字計上となりました。この収支差額の処理については、6億23百万円を収支差額変動準備金に、残額を基金準備金に繰入れました。

4.重点課題への取り組み状況

(1)中小企業の金融円滑化と政策保証の推進
 中小企業の振興と地域経済の活力ある発展に貢献するため、金融機関、関係機関との連携を強化し、政策保証や借換保証等の保証業務をはじめ、中小企業の保証依頼にきめ細かに対応し、金融の円滑化に努めるとともに、創業・経営・再生の三つの支援業務を積極的に推進しました。

 保証承諾は、日銀のマイナス金利政策や金融機関を取り巻く環境の変化等の影響もあり、1,074億18百万円(前年度比92.6%)となりました。保証債務残高も、金融機関が低金利情勢下において積極的にプロパー融資に取り組んでいることや、保証付融資の予想以上の繰上償還の増加等が要因となり、3,795億13百万円(前年度比90.1%)と減少しました。

 条件変更の承諾件数は、中小企業金融円滑化法の終了後も、引き続き返済の軽減が必要と判断される場合は、金融機関と連携して返済緩和による支援を継続していることから、13,655件(前年度比92.8%)となり、保証承諾件数全体に占める構成比は53.3%となり、4年連続して半数を超えました。

 中小企業や金融機関の利便性を高めるための政策保証としては、中小企業の設備投資意欲の後押しと生産性向上支援のため、当協会独自に保証料を割引した「設備応援Gパワー保証」を創設し、300件、46億96百万円の承諾実績となりました。また、金融機関と連携し積極的に地域貢献に取り組む中小企業の資金繰り等を支援する「地域貢献応援私募債保証」を創設し、通常の私募債保証も含めて12件(前年度比133.3%)、8億72百万円(前年度比170.3%)の承諾実績となりました。金融機関との協調支援を行う「パートナー保証」は、255件(前年度比45.1%)、31億95百万円(前年度比59.1%)、経営者保証ガイドライン対応保証は1件、30百万円の承諾実績でした。

 全国統一の「中小企業の会計に関する基本要領」に基づく保証料割引制度(以下、「会計要領割引」という。)は、29年3月末で取り扱いが終了しましたが、中小企業支援に対する当協会独自の取り組みとして、29年4月以降も会計要領割引を当面の間(1年間)、継続しました。

 保証利用者数と保証債務残高の減少が進んでいることから、回復に向けた取り組みを推進しました。中小企業融資優良店舗感謝状贈呈については、保証承諾、保証債務残高及び代位弁済を考慮した総合実績部門、創業・経営・再生の各支援部門、保証利用者数増加部門に加え、パートナー保証部門を新設し、金融機関の多様な取り組みを対象としました。

 延滞先については、企業支援課と保証課が連携して、金融機関の本部や営業店に対して、実態把握や正常化を要請しました。金融機関を96店舗訪問し、119企業に対して、実態把握や延滞解消に向けた具体策を協議し実施しました。本部と各部・支店一体となった取り組みの結果、延滞率は0.32%となり、27年度の0.22%に比較し0.10ポイント増加したものの、企業支援課を創設した23年度以降の平均0.50%と比較し、低水準を維持しています。

(2)金融支援と経営支援の一体的な取り組みの推進
 経営支援は、企業支援課を中心に推進していますが、各部・支店においても各保証課の中小企業診断士資格を有する職員や経験豊富な職員である経営支援担当者が、中小企業の経営改善に取り組みました。

 繰り返し借入金の返済方法の変更を余儀なくされるなど、経営に支障を生じている中小企業に対して、経営改善計画の策定等が必要と判断される場合には、国の補助事業である信用保証協会中小企業・小規模事業者経営支援強化促進補助金事業(以下、「12億円事業」という。)や認定支援機関による経営改善計画策定支援事業(以下、「405事業」という。)に対する当協会独自の費用補助等を活用し、専門家による経営診断や経営改善計画の策定支援等に積極的に取り組みました。経営改善計画等の策定企業数は、12億円事業が59企業、405事業が31企業となりました。

 金融支援と経営支援の一体的な取り組みを推進するため、群馬県経営サポート会議(以下、「経営サポート会議」という。)を開催し、経営力強化保証や経営改善サポート保証等を活用して真水支援や既往借入金の借換集約等を図り、資金繰りの安定や返済の正常化に取り組みました。経営サポート会議は、当協会が事務局を務め、中小企業と取引金融機関が一堂に会し、中小企業が経営改善計画策定に向けた決意表明や経営改善計画の内容、金融支援等についての合意形成を図る場で、28年度は87企業に対し、90回開催しました。

 返済緩和先の正常化に向けての取り組みとして、条件変更先に対して借換提案を行った件数は180件でした。経営力強化保証の承諾実績は、65件(前年度比185.7%)、11億74百万円(前年度比166.8%)、経営改善サポート保証は、45件(前年度比39.5%)、12億65百万円(前年度比31.2%)、特に借換保証の承諾実績は、3,678件(前年度比109.2%)、364億27百万円(前年度比103.2%)で保証承諾金額全体に占める構成比は33.9%と、約3分の1となり積極的に取り組みました。

(3)「三つの支援」(創業支援・経営支援・再生支援)の拡充
 創業支援については、地方創生への貢献のためにも、4つの柱からなる創業トータルサポート体制(相談:創業応援チームやシルキークレインによる相談、ガイドブック:創業サポートガイドによる創業計画策定支援、金融:創業チャレンジ資金等による金融支援、広報:FM GUNMAと共同制作の創業応援ラジオ番組「チャレンジ・ザ・ドリーム」と創業セミナーの開催)を引き続き推進し、創業相談から保証、創業後のモニタリングまで、積極的に取り組みました。また、12億円事業を活用して、専門家による創業相談、アドバイス、創業計画策定支援等についても積極的に取り組みました。

 創業に関する承諾実績(創業等関連保証・創業関連保証)は、236件(前年度比94.4%)、13億74百万円(前年度比96.1%)となりました。このうち当協会又は認定支援機関が創業計画の策定支援等を行う「創業チャレンジ資金、女性・若者・シニアチャレンジ資金」(群馬県創業者・再チャレンジ支援資金B−2、B−3)は、88件(前年度比93.6%)、4億52百万円(前年度比89.4%)の承諾実績となりました。28年7月には日本政策金融公庫と創業支援に係る情報共有と協調支援を行う「“創”思“創”愛」を創設するなど、引き続き県内の創業機運の醸成に貢献していきます。

 28年9月には女性創業応援チーム「シルキー クレイン」が中心となって、はじめての「女性向け創業セミナー」を開催し、相談や情報提供などを行いました。また、「シルキー クレイン」と金融機関の女性職員との意見交換会等を開催したほか、県と関係機関の「女性職員による創業応援」に係る交流会に参加し、前橋市主催の「女性起業者向けセミナー」で講師を務めました。28年度の「シルキー クレイン」の相談実績は43件で、この内、直接相談が14件、金融機関経由の申込相談が29件でした。

 経営支援については、上記Aに記載のとおり、条件変更を繰り返すなど経営に支障を生じている中小企業に対して、経営サポート会議を積極的に開催して、金融支援と経営支援の一体的取り組みを推進しました。12億円事業や405事業等を活用し、積極的に経営改善計画の策定支援等に取り組むなど、個々の企業の状況に応じた経営支援を行いました。

 再生支援については、貸出残高割合に応じた返済額の調整が中心であるが、企業再生の実現に向けて、群馬県中小企業再生支援協議会等の関係機関と連携し、保証債務の劣後化等の再生手法案件にも積極的に取り組みました。28年度は新規先29企業を含め、合計79企業の再生支援に取り組みました。また、求償権債務者1社に対して、405事業を活用して再生計画書を策定のうえ、8期ぶりに「創業・再挑戦・再生審査会」を開催し、審議を経て、求償権消滅保証を実行し、金融取引の正常化を図りました。

 相談業務については、「金融・経営窓口相談コーナー」への217件の相談のほか、中小企業の現場に直接訪問し面談する「出前金融・経営相談」が4件、「年末・年度末金融経営相談会」が2件、合計223件の実績がありました。

(4)金融機関や関係機関との連携強化
 信用補完制度の持続可能性を高める取り組みの一環として、県内各金融機関との役員レベルでの意見交換を行う中で、信頼関係・協力関係の強化に努めたほか、金融機関営業店と相互理解を深めることを目的に、「若手職員向け基本研修・意見交換会」や「金融機関向け勉強会」を26回開催しました。また「金融機関内部勉強会への講師派遣」を行うなど、各階層、各部署において金融機関との相互理解に向けた取り組みを積極的に行いました。金融機関の役員・融資担当部長クラスが参加する保証業務連絡協議会は4回開催し、保証の利用促進に向けて意見交換を行いました。

 関係88機関で構成される群馬県中小企業支援ネットワーク会議(以下、「支援ネットワーク会議」という。)は、全体会議を28年11月に開催しました。金融機関等を対象としたグループ別会議(分科会)は、4回開催しました。

 地方創生や中小企業への創業支援・経営支援等を目的として、日本政策金融公庫(28年4月)、群馬県信用組合をはじめ6機関(28年4月)、東和銀行(29年1月)、群馬銀行(29年3月)、桐生信用金庫(29年3月)とそれぞれ覚書を締結しました。また、金融機関などが主催するビジネスマッチングなどに後援団体として加わり、中小企業の販路開拓支援等に努めました。

 また、群馬県中小企業診断士協会や群馬県産業支援機構、群馬県中小企業再生支援協議会等との連携を強化するとともに、県、市及び関係機関が開催した「群馬県産業振興基本計画策定委員会」、「はばたけ群馬!産業支援本部」、「群馬県創業支援連携会議」、「県都まえばし創生本部有識者会議」、「前橋市産業振興ビジョン協議会」、「群馬県中小企業サポーターズミーティング2016」、県事業引継ぎ支援センター主催の「金融機関等連携会議」等に積極的に参加し、連携強化を図りました。

(5)事故管理の強化
 事故受付は、1,334件(前年度比90.9%)、94億5百万円(前年度比89.9%)、事故残高は、895件(前年度比84.1%)、63億71百万円(前年度比86.1%)となり、件数・金額はいずれも減少しました。これを受けて代位弁済も1,101件(前年度比99.5%)、79億59百万円(前年度比98.4%)となり、7年連続で減少しました。ただし、事故報告が提出された企業の状況は非常に厳しく、債務整理委任、債権・不動産差押等は27年度に続き高い水準で推移しました。

 調整課においては、実態把握のため企業訪問、金融機関訪問、来会要請等を実施し、条件変更や借換制度を有効に活用する等、事故先の早期正常化に注力しました。事故受付から1年半を経過し、事故状態が長期化している案件については、「事故整理強化期間」を設け、一斉に状況を確認し、事故解除に向けた取り組みを行っていますが、28年度は135企業、債務残高14億1百万円を対象とし、13企業、1億46百万円の事故解除を図りました。事故調整の年度累計は24億74百万円(前年度比96.2%)となりました。

(6)速やかな代位弁済の実行
 代位弁済が避けられないと判断された場合、期限の利益喪失後、早期に代位弁済請求を受付し、速やかな代位弁済を実行するように努めました。代位弁済請求を受付した1,084件、79億62百万円のうち666件(構成比61.4%)は、期限の利益喪失後2ヶ月以内の受付であり、代位弁済を実行した1,101件、79億59百万円のうち1,033件(構成比93.8%)は、代位弁済受付後2ヶ月以内の実行となりました。

(7)回収に係る多様な取り組み
 有担保求償権の減少、第三者保証人の原則非徴求、法的整理移行の増加等により、回収困難な求償権が増加しており、回収を巡る環境は非常に厳しい状況が続いておりますが、現地調査による現況把握を実施し、現況データを蓄積して、継続的な督促や再生支援による回収等に積極的に取り組みました。また、管理回収業務に関するワーキングチームを立ち上げ、今後の管理回収業務についての検討を行いました。

 管理課と企業支援課とが連携して、求償権債務者1社に対し、求償権消滅保証を実行しました。また、経営者保証に関するガイドラインに基づく保証人免除について、2企業、4名の連帯保証人について合意しました。

 保証協会債権回収株式会社(略称:「サービサー」)に、求償権の管理回収業務を委託し、低コストの管理回収体制構築を図りました。

 回収事務の合理化・効率化を図るため、コンビニ入金や管理事務停止に積極的に取り組みました。また、求償権債務者の返済に係る利便性向上を図るため、口座引き落しによる入金についてもシステム開発し、利用促進を図りました。

(8)コンプライアンス態勢の更なる強化
 信用保証協会としての公共的使命・社会的責任を再認識し、コンプライアンス態勢の更なる充実・強化に努めました。

 コンプライアンス委員会は、検査室及び総務課との連携を図り、コンプライアンス・プログラムの実施等を通して、役職員のコンプライアンス意識の向上に努めました。具体的には、コンプライアンス委員会(年4回)や、コンプライアンス担当者会議(年2回)、コンプライアンス・チェックシートの内容見直し及び実施・検証等に取り組みました。啓蒙活動に関する取り組みとして、コンプライアンスに関する標語を職員から募集し、優秀賞を本・支店の各部署に標語として掲示しました。また、個人情報保護宣言の掲示、個人データ取扱状況の点検等、個人情報保護にも取り組みました。

 役員の選任について、理事候補者選定有識者委員会を開催し、信用保証協会法施行規則の改正等に対応した役員選任手続きを行いました。

 「反社会的勢力排除に係る対応マニュアル」を改正し、対応について整備するとともに、取り組みを強化しました。

(9)社会情勢の変化に応じた人材育成及び職場環境向上による組織力強化
 中小企業によりよいサービスを提供するためには、個々の職員の能力を高めるとともに、その能力を十分に発揮できる組織体制及び職場環境の整備が重要であり、これに積極的に取り組みました。

 全国信用保証協会連合会(以下、「連合会」という。)等の定例研修以外にも、企業訪問研修、他協会視察(2協会)を実施したほか、各種外部研修にも参加しました。また、新任課長研修及び信用調査検定プログラム対策研修など内部研修計画の実施により、人材育成に努めました。

 こうした取り組みの結果、資格取得を推進している中小企業診断士の資格を有する職員は13名となり、この他複数名が資格取得に挑戦しています。また、職員の均質的な能力の向上等を図ることを目的として連合会が実施している「信用調査検定プログラム」については、積極的に受験を呼びかけ、複数名が合格しました。

 国の動向や全国の保証協会の様々な取り組み等に関する情報をスピーディーかつタイムリーに収集し、職員への情報提供や職員の資質の向上を図るため、連合会へ職員を派遣しています。また、保証協会を取り巻く諸情勢を正しく理解するために、連合会から講師を招き、講演会を開催し、複数の職員が受講しました。

 28年12月、国の中小企業政策審議会の金融ワーキンググループにおいて、「中小企業・小規模事業者の事業の発展を支える持続可能な信用補完制度の確立に向けて」が取りまとめられましたが、国が信用補完制度の見直しを進めているのに呼応して、連合会が組織している「信用保証制度のあり方等に関する研究会課題別検討会」に当協会も参加し、利便性向上・業務統一化に向けた検討を行いました。信用補完制度の改正については、平成30年度の実施に向けて、連合会とも緊密に連携しつつ、具体化に向けた検討を進めるとともに、中小企業、金融機関及び関係機関に対して丁寧に説明に取り組んでいきます。

 職場環境向上のため、月に一度開催している衛生委員会において、職員のメンタルヘルスケア等心身の健康に関する議題をテーマとして取り上げて意見交換を行い、その議事録及び議題に沿った情報を資料として全職員にメールで配信しました。メンタルヘルス対策について、28年度は嘱託員、パートタイマー及び派遣職員を含めた全職員を対象にメンタルヘルス研修会を実施しました。また、産業医から人間ドック、成人病検査等の結果に対する意見を聴取し、医師の所見に基づいた注意喚起や二次検査の受診を促しました。

 28年8月には、心身のリフレッシュを図ることを目的として、有給休暇の範囲内でリフレッシュ休暇(連続3日間)を新設しました。また、12月には、育児・介護休業制度の利用促進や職場における女性の活躍推進、従業員の家庭教育等ワーク・ライフ・バランスの推進の取り組みについて、群馬県から「群馬県いきいきGカンパニー」に係るゴールド認証を受けました。

 一般事業主行動計画に基づき、ノー残業デーを定めるなど、働きやすい職場づくりのための取り組みを継続しています。

(10)広報の強化
 信用補完制度を健全に運営するには、保証業務のみならず、支援業務や関係機関との連携体制、信用補完制度の仕組み等についても、中小企業に理解してもらうことが大切であるため、積極的に広報活動に取り組みました。

 4つの柱からなる創業トータルサポート体制を引き続き推進しました。当協会がスポンサーとなりFM GUNMAと共同制作している創業応援番組「チャレンジ・ザ・ドリーム〜群馬の明日をひらく〜」を28年度も継続し、更なる周知を図りました。前年度の同番組内容について単行本として発行し、関係機関だけでなく、県下の高校、大学、専門学校にも配布したほか、各種創業セミナーの参加者にも配布し、起業意欲の向上に取り組みました。

 毎年度発行している「ぐんまグッドサポートガイド」(創業・経営・再生の「三つの支援」小冊子)について、内容の充実を図った改訂版を作成し、関係機関に配布しました。「群馬県信用保証協会レポート(ディスクロージャー誌)」、「信用保証ガイド」についても28年度版を発行しました。

 ビジネスフェアへの出展企業の紹介及び出展支援、群馬イノベーションアワード・群馬イノベーションスクールへのフィナンシャル・サポーターとしての協賛及び参加、保証月報やホームページ、マスコミの活用(記事・広告の双方)による適切な情報発信等により、当協会の取り組みに係る広報に努めました。

 保証付融資の利用促進等に関する情報収集を目的に、金融機関の本部を対象に「保証利用に係るアンケート」を実施しました。また、当協会の広報誌「保証月報」について「保証月報に係るアンケート」を実施しました。アンケート結果に基づき、利用者の立場に立った広報活動に取り組んでいきます。

(11)電算システムの安定的な運用等
 システムの運用委託先である保証協会システムセンター(以下、「センター」という。)との緊密な連携により、システムに関する大きな問題の発生はなく、安定的な運用を行うことができました。信用保証料に関する業務統一化(回収条件付保証の信用保証料差引計算等)については、28年6月1日からスタートしました。また、センター主催の各種研修に積極的に参加したほか、運用担当職員のスキル向上にも努めました。

 石川県信用保証協会のシステム移行に対する支援協会として、センターとも連携し、当協会の移行作業全般に亘る資料を提供するなどスムーズな移行の進捗をサポートし、29年1月、無事に移行が成功しました。

5.外部評価委員の意見等

  • 28年度の保証承諾は、日銀のマイナス金利政策や金融機関を取り巻く環境の変化等の影響もあり、計画比83.9%、前年度比92.6%となった。保証債務残高も、計画比97.8%、前年度比90.1%と減少した。しかし、独自に新たな保証制度を創設したことや、役員による各金融機関への訪問、各金融機関の支店長及び担当者との勉強会・意見交換会の実施、そして金融機関若手職員向け研修・意見交換会等を実施したこと、また、地方創生や中小企業の振興に資することを目的とした金融機関との覚書の締結、中小企業の販路開拓のために金融機関等が主催するビジネスマッチング等への後援等により、連携強化に努めたことは評価できる。今後も金融機関、関係機関との連携を密にし、中小企業の資金需要に的確に対応し、金融の円滑化に引き続き積極的に取り組んでいただきたい。また、30年度に予定されている信用補完制度の改正に向けて検討を進め、中小企業や関係機関に対して事前の周知活動を徹底していただきたい。

  • 4つの柱からなる創業トータルサポート体制を推進し、創業に係る多面的な金融・経営支援や、創業意欲を醸成するための広報について、今後県内の開業率向上に寄与する重要な取り組みであると評価する。女性職員9名からなる女性創業応援チーム「シルキー クレイン」が中心となって、独自にはじめての女性向け創業セミナーを開催したことは評価できる。創業支援に対するこのような取り組みは、県内経済の活性化に繋がる意義のあることであり、引き続き積極的に対応していただきたい。

  • 経営支援について、条件変更を繰り返すなど経営に支障を生じている中小企業に対して、支援ネットワーク会議や経営サポート会議の積極的な開催等により、支援体制を強化し、国の補助事業の活用や協会独自の費用補助等により、経営改善計画の策定支援等に積極的に取り組んだことは、中小企業にとって心強いことであり、引き続き親身な支援業務を実施していただきたい。

  • 回収環境が年々厳しくなり、回収実績を上げるのは厳しい状況にあるが、積極的に現地調査を行うなど、現況把握に努力している。管理回収業務に関するワーキングチームを立上げ、顧客関係人別概要表の導入等を決定し、早期回収着手の徹底や法的措置等を推進したことは、今後の効率的な回収と継続的な管理につながり評価できる。また、28年度は求償権消滅保証を1件実施したが、引き続き金融機関、関係機関と連携を図り、再生支援に積極的に取り組んでいただきたい。

  • 保証債務残高が減少する中にあって、条件変更や借換保証、延滞先の管理、経営支援・再生支援に積極的に取り組んだこと等により、代位弁済が7年連続で減少した。28年度の収支差額は、計画を上回る12億47百万円であり、経営努力が実ったものと評価する。

  • コンプライアンス委員会、検査室及び総務課の連携によりコンプライアンス・プログラムの充実及びコンプライアンス態勢の強化並びに検査体制の充実を図ったことは、評価できる。引き続きコンプライアンス意識の徹底と態勢の充実強化を図るとともに、検査業務についても充実を図っていただきたい。また、改正された「反社会的勢力排除に係る対応マニュアル」の運用を徹底し、反社会的勢力の排除及び不正利用の防止に関する取り組みも、引き続き徹底していただきたい。

  • 電算システムについては、センターとの緊密な連携により、安定運用が行われていることは評価できる。

  • 衛生委員会の活動を通したメンタルヘルスケアへの取り組みや一般事業主行動計画等に基づき、よりよい職場づくりのために注力していることは評価できる。また、人材育成と組織力強化の見地から、意見交換会の開催や各種研修を強化しているが、社会状況の目まぐるしい変化に対応すべく、職員に対し常に意識やスキルを高める機会を与えるため、研修の内容や方法等について、引き続き工夫を凝らしていただきたい。

以上

 

 


群馬県信用保証協会 〒371-0026 群馬県前橋市大手町3-3-1 TEL 027-231-8816