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平成27年11月5日(第32回)放送【2】

【プログラム】
●トップインタビュー:昭和電気鋳鋼株式会社 手塚加津子社長
●保証協会からのお知らせ:「創業計画サポートガイド」平成27年改訂版について
●チャレンジ企業紹介コーナー:株式会社大和屋


社長就任から現在まで

司会

2004年、手塚社長が49歳のときに総務部長として入社されたということですが、先ほども少しお話に出てきましたが、お住まいは東京ということですか。

手塚社長
はい、そうです。今も東京から高崎に通っております。
司会
10年以上……。
手塚社長
そうなりましたですね。
司会
そうですか。新幹線通勤ですか。
手塚社長
はい。ドアツードアで2時間半かかります。
司会
毎朝何時ぐらいに出てくるんですか。
手塚社長
以前は6時前だったのですが、だんだん遅くなりまして、今は7時前に出てまいります。
司会
そうですか。
手塚社長
肉体的には2時間半というのは大変なんですけれども、やはり新幹線に乗っている間に、考え事をしたり、今日の仕事の段取りをいろいろ考えることができるので、いいメリハリになっているかなとは思います。
司会
会社の方たちの反応というのは、当初いかがでした?
手塚社長
当初は、「宇宙人が来た」と……。
司会
宇宙人?
手塚社長
思っていたんじゃないでしょうか。
司会
失礼ですが、どういう会社かというのも、社長は最初はあまりご存じでなかったということですか。
手塚社長
はい。全く知りませんでしたし、それ以前に、組織というものがわからなくてですね、まあ、とんちんかんでしたねえ(笑)。
司会
周りの方たちは、ちょっと一歩引いて……。
手塚社長
腫物に触るような、声をかけていいのかどうかわからないというような状況でした。自分もどこから取りかかっていいかわからなかったのですけれども、コツコツと目の前の問題に取り組みました。もともと私は、花を育てることであったり、子育てが大好きだったんですけれども、成長するにあたって何が必要なのかを観察し、どうしてあげたら一番よいのか、花でいえば、水が必要なのか、肥料が必要なのか、枝切りが必要なのか、太陽が必要なのか、日陰が必要なのか、そういったことを見極めていって、よりよく育てるというようなことが、私は小さいときから好きだった気がします。
司会
人を育てる、会社を育てるというのも、共通しているところがありそうですね。
手塚社長
ある意味、あるかもしれません。
司会
実際の成果としてはいかがでしたか。変わってきましたか、社員の方が。
手塚社長
そうですね、協力してくれるように、だんだんとなってきました。一番感じるようになったのは、リーマンショックのころからです。
司会
ああ、そうでしたか。
手塚社長
私が社長になって2年目にリーマンショックが起きたのですが、その時はある日を境に注文のキャンセルの嵐で、もう生産を、すればするほど赤字が出るというような状況に一変いたしました。で、何をやっても焼け石に水で、コスト削減も数字に出てきませんので、それでは開き直って、みんなで勉強しようということで、ある活動を始めました。
司会
それはどういうことですか。
手塚社長
名前は5S・VM・ISO活動というものですが、ISOという世界規格を、しばらく前から取るべきだということは常々思っていたのですが、形だけ取っても仕方がない、本当に実のあるISOをどうやったら取れるんだろうと考えていました。で、コンサルタントさんと相談をして、企業全体で取り組める活動をしようということで、みんなができる5Sから始めようということで、5S・VM・ISO活動を始めました。
司会
5S というのは、整理整頓などということですね。
手塚社長
はい。ちょうど時間もありましたので、みんなで大掃除を始めました(笑)。もうそれはそれは長い間の不要品があふれてまいりまして、あっという間にきれいになっていきました。まるで魔法をかけられたようでした。
司会
ああ、そうですか。やっぱりすっきりしてきますと、気持ちも違いますし、仕事の効率も上がりますものね。
手塚社長
はい。5S活動というのは、単にきれいにするということではなくて、生産効率も上げることにもなりますし、従業員のみんなが、人間的な成長をするということだと思っています。
司会
風土改革を徐々に進めていったわけですね。
手塚社長
諦めずに、粘り強く。
司会
その受注減は、どのぐらいで収まりましたか。
手塚社長
約1年半は本当に厳しい状況が続きました。長かったですね。今から思えば、1年半ですけれども、そのときは毎月、毎月、試算表が出るたびに、もう大変な思いでした。
司会
いつ収まるかというのは、わからないですものね。
手塚社長
わからなかったですね。花の咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばそうということを合言葉に、みんなで耐えていきました。
司会
その後はV字回復をなさったんですか。
手塚社長
はい、おかげさまでV字回復いたしました。やっぱり受注のない中で勉強してきたことが実を結んできたのだと思います。
司会
そういった中で、おととし、2013年には、生産設備を増強したそうなんですけれども、増強というのは、量的なものですか。
手塚社長
それよりも、まず質を高めることに、この設備は大変役に立っています。そのときまで使ってきた設備は、もう40年以上使っておりましたので、どうしてもはぐんでしまうといいますか……。
司会
ああ、はぐむ?
手塚社長
はぐむというのは、上型と下型がわずかにずれて寸法不良になることです。お客さまに満足なものがお届けできないという状況がこの設備によって、いい製品がお届けできるようになったということです。
司会
業界もだんだん回復してきたといいながらも、まだまだ厳しいときに設備投資をするというのは、勇気の要ることですよね。
手塚社長
すごく勇気が要りますね。でも、やはり前に前に。この設備は父も本当は導入を望んでいて、ただ、バブルがはじけて断念していたという設備でしたので、何とか自分の時代に入れられないかということは、本当に念願ではありました。
司会
生産設備を増強したと今、お伝えしたんですけれども、実はもう、専務のころから毎年のように設備投資自体はなさっていましたよね。
手塚社長
はい、そうなんですね。会社に入社したころには、この設備が壊れたら、この会社はやめざるを得ないというような大事な部分の設備の老朽化が進んで、大変不安な状況でした。それを一つずつ毎年、1億円ずつの設備投資を、どんなに苦しくてもやっていこうということに心に決めて、順次、毎年やっていきました。
司会
それだけやっぱり、手塚社長のお気持ちを動かした、そういう社員の方たちの、そんな姿というのがあったんですか。
手塚社長
はい。この会社に入ってしばらくして、何から勉強していいかわからなくて途方に暮れていたときに、ある日曜日に私が1人で会社に出て、経理の勉強をしておりました。そのとき、私がいるのを知らないで社員が1人、たぶん点検か何かをしにきたんだと思うんですけれども、窓の外に軽トラックが止まりまして、社員はすぐに走って工場に入ったんですが、軽トラックの荷台で小さい男の子と女の子が遊んでおりまして、この子たちの将来を考えたら、絶対に会社を守らなくちゃ、社員さんたちを守らなくちゃいけないと強く思いました。
司会
昭和電気鋳鋼という、一つのファミリーのお母さんであり、大黒柱ですねえ。
手塚社長
(笑)そうなれるといいと思っています。
司会
さて、もともとは専業主婦だったというお話なんですけれども、経営のノウハウというのは、どのようにご自身はそれを勉強していったんですか。
手塚社長
同業の社長さんが、私がこういうところに飛び込んだことに非常に驚かれ、「男がやっても難しいのに」っておっしゃいましたけれども、多くの社長様に、いろいろ教えていただきました。工場のノウハウでありますとか、また経営のことでありますとか、また、お客さまにも教えていただいたし、銀行の方々にも教えていただきましたし、社員も支えてくれたし、今あるのは本当にみんなのおかげだと思っています。
司会
やっぱり、社長ご自身はおっしゃらないけれども、相当いろんなことを勉強なさったのかななんて思いますが。
手塚社長
まあ、本も読みましたけれども、本に書いてあることはヒントなので、やはり自分の感性を信じて、自分の目で見て、確認をしながら、自分で考えるということでしょうか。
司会
もちろん、ご自身の会社の現場にも、何度もヘルメットを被って毎日行ったと思いますし、ほかの工場なども、やはり見学に行ったりしたんですか。
手塚社長

はい、たくさん見せていただきました。でもやっぱり、それをすぐに自分の工場に展開できるわけではないですし、いいところをいろいろ見せていただいたり、勉強しながら、かつ、自分の工場、会社にはどうしたらいいのかということ、何が必要なのかということを一生懸命考える日々でしたね。

仕事と家庭の両立

司会
社長だったお父さまが亡くなったことで、会社にかかわり始めたということでしたけれども、手塚社長、家庭との両立は大変だったのではないですか。
手塚社長
私はちょうど子育てが一段落したところで、一番下の子が大学に入った年でしたので、そういう意味では、家族も協力してくれる体制にありました。それはありがたかったです。
司会
ご主人も、やはり理解してくださって、その道に進むことに賛成してくれたんですね。
手塚社長
そうです。大変協力してくれました。ただ、女性が仕事をするっていうことは、また男性とは違った大変さがあるのは事実ですね。やはり両親のことであるとか、子どものことであるとか、朝になれば会社のみんなの顔を見たくなり、また夕方になれば家族の顔を見たくなりということで、遠くても単身赴任ということは自分には考えられません。
司会
時にはくじけそうになることってありませんか、その両立も含めて。
手塚社長
そうですね、落ち込むことはいっぱいありますよ。けれど、落ち込んで何もしないのでは解決しないので、何をしたらいいか、一つ一つやるしかないと思っています。
司会
前進あるのみですね。
手塚社長

はい。

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