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平成29年11月2日(第56回)放送【1】

【プログラム】
●トップインタビュー:株式会社クリマ 栗原 守 社長
●保証協会からのお知らせ:「チャレンジ・ザ・ドリーム」平成28年度版単行本発行について
●チャレンジ企業紹介コーナー:株式会社景勝軒

プロローグ

司会

こんにちは。ご案内役の奈良のりえです。夢への挑戦をテーマに企業トップへのインタビューなどをおよそ1時間にわたって放送している「チャレンジ・ザ・ドリーム」。今日のトップインタビューは、伊勢崎市の食肉加工会社 株式会社クリマの栗原守社長、65歳です。クリマは氷温熟成という独特の方法による豚肉の熟成に成功。甘くまろやかな味わいと、柔らかな食感が特徴で、「氷室豚」の名前で百貨店などで扱われています。創業者で氷温熟成職人を自称する栗原社長に、技術開発の様子や、ブランド確立の歩みなどを伺っていきます。そして番組後半は訪問インタビュー。ラーメン店をはじめ、最近ではカレー店も手がけている株式会社景勝軒の櫻岡一生社長のお話をお届けします。

トップインタビュー

株式会社クリマ 栗原 守 社長

司会
株式会社クリマの栗原守社長にFM GUNMAのスタジオにお越しいただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
栗原社長

お願いいたします。


[収録風景:FM GUNMAスタジオにて]

社名の由来

司会
株式会社クリマの社名は片仮名でクリマと書きます。社長の苗字もクリマさんかと私、ずっと思っていたんですが、栗原さんなんですね。
栗原社長
そうですね。私の名前を取りまして、片仮名でクリマと、いいんじゃないかということで会社名にしましたね。
司会
栗原守さんでク・リ・マっていうことなんですね、なるほど。(笑)
栗原社長
そういうことですね。これをですね、群馬県に目を向けて見ると、クリマっていう名前が、私は非常にヒットするんじゃないかと。それはどうしてかというとですね、フランス語で風土ということになるわけですね。
司会
風と土の風土。
栗原社長
風土ですね。それが今取り組んでおります、寒干し寒ざらしという技術で、それを使ってクリマが今、熟成を行っているわけですね。何か、風土に合うかなっていう、非常にラッキーだなと私は思いますね。

料理人として修行

司会
さあ、そんな思いもこもったクリマを創業した栗原社長ですけれども、初めは料理人を目指していたそうですね。
栗原社長
そうですね。私は小さい頃から包丁、まな板の前に立ちまして、野菜を刻んだりとかしていましたので、非常に料理好きかなと思いますね。
司会
では、結構早い段階で、ご自身がこういう道に進みたいという夢があったわけですね。
栗原社長
そうですね。中学2年生のときだったんですけれども、割烹旅館に行きまして、そこで「料理人になりたいんだよ」という話をしましたら、そこの社長さん、当時はだんなっていうんですけどもね、だんながですね、二つ返事で「待ってるよ」ということで、卒業式後1日、2日目ぐらいに行きましたね。
司会
どんな修行を積まれましたか。
栗原社長
そうですね、一番下なわけですね。洗い方といいまして、鍋を洗ったり、野菜を切ったり、そういう下準備をするんです。調理場っていうのは、板場っていうんですけど、当時板場では、料理をつくり終われば終わりだよという風潮でしたが、私は、例えば料理が残ってきますね、そういったところをですね、女中さんにチェックを入れるわけです。そうすると、今日の料理がおいしかったのかどうか、何の理由で食べなかったのかというところに話がいくわけじゃないですか。そんなこともしながらですね、日々のコメントですけどね、日報みたいなものですけれども、毎日書きまして、そして記録として取っておきましたね。

創業までの経緯

司会
修行はこちらでどのくらい続いたんですか。
栗原社長
3年だけですね。
司会
そうですか。辞めたのはどうしてですか。
栗原社長
これはですね、小さなお肉屋さんをしていましたので……。
司会
ご実家が?
栗原社長
ええ、そうですね。私は料理人を目指したわけなんですけれども、たまたまですけれども、「入ってほしい」ということで、それで入ったわけですね。
司会
実家のお店というのは、どんな感じでしたか。
栗原社長
小さなお肉屋さんですから、揚げ物と、お惣菜ですね。それでお肉をケースに並べて売るという、そんな作業ですね。
司会
そうですか。
栗原社長
でも私、当時、お店と工場を持ちたいという目標を持っていましたので、そこでしっかりとお金を蓄えていくわけです。
司会
独立したのは、栗原社長、お幾つのときですか。
栗原社長
33歳ですね。
司会
33歳で。ここでいよいよ食肉工場をおつくりになるということですか。
栗原社長
そうですね。
司会
そこではどういったことに気を付けておつくりになりましたか。
栗原社長
板前さんというのは、食中毒に非常に注意を払いながら料理をしていますので、衛生というところに目標を持ってしっかりとやってきたということになりますね。

熟成への思い

司会
そういう中で、どうして熟成だというふうに思われたんでしょう。
栗原社長
これはですね、やはりそこはまた料理人なんですね。おいしいお肉をつくりたいって考えますね。熟成をすればおいしくなるというのは、食肉業界では当然わかる話じゃないですか。でも、実際つくってみないとわからないですね。だから、おいしさを追求しようというところで、始めていくわけですね。
司会
その熟成のために、どんなことをされましたか。
栗原社長
一番の取り組みというのは、衛生とですね、品質管理ということになりますね。
司会
具体的にはどういうふうにしていったんでしょう。
栗原社長
豚の細菌数というのは洗浄で決まるわけですよね。
司会
まず、枝肉を購入なさいますよね。
栗原社長
はい。
司会
普通そこで洗うものなんですか。
栗原社長
おそらくですね、全国的に弊社が取り組んでいる洗浄というのは、まずないと思いますね。
司会
洗わないの?
栗原社長
洗わないですね。
司会
どこもやっていないということは、洗う必要がないか、もしくは、洗うことが何かタブーであったから取り組まなかったんですかね。何ですかね。
栗原社長
肉っていうのは焼いて食べたり、煮て食べたりするわけですから、普通の搬入であれば、当然影響はないわけですね。
司会
洗う必要がないわけですね。
栗原社長
ないってことですね。
司会
鮮度がいいときに食べるというか。
栗原社長
そうですね。ですけど、熟成という作業に入るわけですから、やはり除菌というところが必要になります。きれいに洗い落とす、汚れを洗い落とす、菌を落とすという作業ですね。
司会
大変な作業に乗り出しましたね(笑)。
栗原社長
そうですね。いやあ、大変だったですね。初めはですね、普通の水で洗浄していましたね。ただ、普通の水で洗っていたらですね、全然細菌数が減らないんですね。さあ、弱ったなとなりますね。
司会
なりますね。
栗原社長
そのときにふと思い出したのが、鯉のあらいの手法ですね。人肌のお湯っていうと36度、40度ぐらいだと思いますけれども、その温度で鯉のそぎ身を洗ってですね、そして冷水につけて、鯉のあらいになるんですね。
司会
もしかして、それが結構熟成豚の基本というか、何かヒントになっているんですか。
栗原社長
そうですね。そこがですね、枝肉の洗浄に役立つわけですね。
司会
それでラインもつくったんですって?
栗原社長
そうですね。この洗浄ラインがですね、お湯とですね、常温水と、冷水ということになりますね。ただ、このラインをつくったんですけれども、これが大変だったんですよ。
司会
何がですか。
栗原社長
細菌が減らなければ、ラインをつくっても意味がないわけですよ。
司会
はい。
栗原社長
当然夏もあれば、冬もありますね。
司会
そうですね。
栗原社長
条件が違いますよね。ということは、洗う条件が違うわけですね。お湯の温度を何度にすればいいのか。冷水を何度にすればいいのか。そこの温度探しで7年ぐらいかかったんですよ。料理人のときと一緒で、毎日の日報を書くわけですよ。例えば晴れであったりとか、曇っていたりとかありますよね。そういうのを記入しながら、そして外気温、いろいろなところをチェックしてですね、表をつくりまして、そこに書き入れて。そんなことを、7年ぐらいやっていたんですね。

氷温熟成について

司会
氷温熟成、氷の温度と書いて氷温ですが、氷温熟成という独自の熟成方法を開発して、社長は事業に成功されているんですけれども、この熟成方法というのはどういうものなのか、少し教えてほしいんですね。
栗原社長
そうですね。これは寒干し寒ざらしっていう……。
司会
あっ、先ほどおっしゃっていた。
栗原社長
そうですね。そこの手法になるんですけども、群馬県内には沼田市に雪の下のリンゴですか……。
司会
あ、ありますね。
栗原社長
ありますね。それで……。
司会
寝かしておくんですね。
栗原社長
ええ。春に出荷ってありますね。だから、寒くしてですね、冷たくしておいしさを引き出す。そして、もちろん保管ということにつながりますね。もっと違った場所に目を向けるとですね、干し柿があったりとか、例えば海であれば干物があったりとか、全くその原理ですね。だからそこが弊社の工場の中では凍る、凍らないという、ギリギリの温度の中で寒干し寒ざらしをするわけですね。
司会
お肉の特徴としては、やはりうまみが引き出されるんですか。
栗原社長
そうですね。普通、熟成といえば、赤身のところの成分が向上して、おいしいということになりますね。でも、氷室豚はですね、国内で初めての発見になるんですけれども、脂の成分が向上したっていうのは氷室豚だけなんですね。これは枝熟成ということになりますけれども。
司会
枝熟成?
栗原社長
はい。大きい豚肉をですね、冷蔵庫で寒干し寒ざらしということで冷やし込みをするんですけれども、そういった手法の中で生まれた不飽和脂肪酸の向上っていうのが、氷室豚で初めて発見されるんですね。
司会
ああ、だから、私も頂いたんですけれども、肉が甘くて、特に脂身がおいしいんですね。
栗原社長
違いますね。
司会
舌の上でとろけるような。
栗原社長
そうですね。融点ももちろん下がるんですけれども。だから、やはりこの脂がよくなったというのは、非常に画期的なんですね。
司会
それでいて、こう、何ていうんですか、脂っぽくないっていうか、さっぱりしているんですよね。
栗原社長
さっぱりしていますね。
司会
どういうきっかけからスタートしたんですか。
栗原社長
どんな熟成方法があるかなということで、たまたまですけれども、氷温というところに出合ったわけなんですね。
司会
氷温に……。
栗原社長
氷温に出合ったわけですね。そこでまあ、私なりに氷温を理解しようということで、冷蔵庫の中の温度を下げてみたりとか、またはその環境づくりということで、それで取り組んでいくわけですね。
司会
それは何回もいろいろ試してみるという、そういう具体的な取り組みになるんですか。
栗原社長
そうですね。例えばじゃあ温度を1度上げましょうとか、下げましょうとしますね。そうすると、1カ月の期間をまず取り組んでみないと結果は出ないんですね。そういう世界なんですよ。
司会
じゃあその適した温度を見つけるまでに、どのぐらいかかるんですか。
栗原社長
冷蔵庫を、設備投資をして、ちょうど1年半ですね、はい。
司会
そしてその熟成させるということは、いわゆるお肉を寝かせるわけですけれども、それはどのようにやって熟成させていくんですか。結構企業秘密ですかね。大丈夫ですか(笑)。
栗原社長
そうですね。これは確かに企業秘密ですね。
司会
ごめんなさい。話せるところまで(笑)。
栗原社長
そうですね。話せるところは、ちょっと皆さんに聞いていただきたいと思います。結局、洗浄して除菌をしますね。それで、一晩ですけれども、しっかりと1頭ずつの冷やし込み。だから微生物を増やさないという作業になりますね。そこでしっかり冷やし込みをして、そして弊社には7つ冷蔵庫がありますけれども。
司会
冷蔵庫が7つある。
栗原社長
あります。それは枝を下げる冷蔵庫ですね。
司会
お肉を……。
栗原社長
はい。枝庫といいますけれども。そこにですね、一つ一つの役割があるんですけれども、そしてその中に入れるわけですね。
司会
温度の違うお部屋が7カ所あるとか。
栗原社長
そうですね。
司会
そこを通して、ゆっくり熟成させていく。
栗原社長
させていく。
司会
寝かせていくと。
栗原社長
寝かせていくということになりますね。
司会
そこまでして開発する思いというのは、その情熱はどこから湧き出るんですか。
栗原社長
そうですね、私は目標に向かうとですね、達成するのが私の仕事といつも思っていますので、計画を立てるとですね、ほぼクリアします。だからそういう、何ていうんでしょうね、性格なんでしょうね。どうしてもこの熟成事業を成功させたいっていう思いがないと、まずできないですね。だって途中で、洗浄ラインだけで7年間開発に時間をかけるという人はあまりいないと思うんですよね。
司会
そうですよね。
栗原社長
でもそこは、やはりしっかりとつくってですね、そして熟成につなげていくということになるわけですから、まあ、面白いエピソードではですね、かっぱを着てですね、その洗浄ラインを通過してみるとか。
司会
え、自分が?
栗原社長
ええ。自分がですね。豚と同じ気持ちになって、当たってどうなるんだろうと、水圧がどうだろうかと、そんなこともありましたね。
司会
そこまで。
栗原社長
そうですね。
司会
いやあ、もうお話を聞いていると、そのストイックさというのが本当に浮き彫りになりますが、まず一つ、その洗浄しようと思ったのも、非常にイノベーティブですし、さらに誰もやったことがない開発をね、こつこつ、こつこつとやっていくという、この姿というのも、今聞いているだけでも頭が下がる思いでいっぱいなんですけれども。さて、この後は、氷温熟成でつくられたお肉のブランディングの様子なども伺っていきたいと思います。その前に1曲お届けいたしましょう。今日選んでいただいたお好きな曲ということで、舟木一夫さんの曲を選んでいただきました。
栗原社長
女房と二人でですね、時々コンサートに行くんですけれども、そのコンサートの中に出てくる曲なんですけれども、私にとってみて、応援歌みたいなことになりますかね。
司会

はい。ぜひ聞いている皆さまの応援歌にもなりますように。お届けする曲は、舟木一夫で『君よ振りむくな』。


[凍る一歩手前の温度で14日間以上じっくりと冷蔵庫の中で豚枝(豚肉)を熟成させる様子]

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