信用保証制度の見直しが実施されます
平成30年4月より信用保証制度の見直しが実施されます。制度見直しによる当協会の取り組みについて、前号に引き続きお知らせいたします。
1.信用保証協会と金融機関の連携
中小企業の経営改善や生産性向上を後押ししていくため、個々の中小企業の実情に応じて、プロパー融資と保証付融資を適切に組み合わせ、信用保証協会と金融機関の連携をより一層進めます。
連携の状況について、各金融機関の保証付融資とプロパー融資の状況等が集計され、公表されます。
※信用保証依頼書に記載された情報を基に集計が行われます。信用保証依頼書の記載にあたっては、記載例(PDF:196KB)をご確認ください。
2.経営者保証に関する対応
経営者保証によらない融資の事例が積み重ねられつつある近況を踏まえ、経営者保証ガイドライン対応保証制度は廃止し、今後は保証制度にとらわれず、金融機関との連携・一定の財務要件・保全十分な担保提供等の条件を満たす場合については、経営者保証を不要とする新たな運用・制度を開始します。
また、事業承継時においては、旧代表者・新代表者の両方の経営者保証を要する取扱いは、原則として行いません。
※経営者保証の新たな取扱については、後述の「経営者保証に関する対応について」をご覧ください
3.相談窓口の強化
各部・支店の保証課に設けている「金融・経営相談窓口」において、「金融機関が十分な融資を行えない。」「明確な取引金融機関がない。」等の理由により、金融機関の紹介を希望する中小企業・小規模事業者からのご相談もお受けいたします。
4.再生ファンドへの出資業務の拡充
再生ファンドに限らず、創業や新事業展開、事業承継支援等を目的とするファンド(中小企業基盤整備機構が出資しているものに限る)に対しても出資が可能となります。
経営者保証に関する対応について
平成25年12月に策定された「経営者保証ガイドライン」が定着し、近年では経営者保証を不要とするプロパー融資の事例が増加しています。このような状況の中、今般の信用保証制度見直しにおいて、従来の「経営者保証ガイドライン対応保証制度」を廃止し、経営者保証を不要とする新たな運用・制度を開始することになりました。
1.保証(申込)時の対応について
保証時において経営者保証を不要とする取扱いは、原則として以下の(1)~(3)の場合とします。
(1)金融機関連携型
申込金融機関において、経営者保証を不要とし、かつ保全がないプロパー融資の残高がある貸出先について、一定の財務要件を充足している場合は、保証制度を問わず経営者保証を不要とすることが可能です。
※要件については、金融機関専用書式ページの「金融機関との連携により経営者保証を不要とする取扱い」確認書・財務要件型無保証人保証制度 資格要件確認書(※要ユーザー名・パスワード)の内容をご覧ください。
(2)財務要件型無保証人保証制度(平成30年4月1日創設)
特定社債(私募債)保証制度と同様の財務要件に該当する場合に利用できる保証制度を新たに創設しました。本制度においては、経営者保証を不要としております。
財務要件型無保証人保証制度の概要
対象者 | 申込の直近の決算において、制度で定める財務要件に該当する中小企業者。 ※財務要件については、「財務要件型無保証人保証制度 資格要件確認書」(※要ユーザー名・パスワード)の内容をご覧ください。 |
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保証限度額 | 普通保険2億円 無担保保険8千万円 ※一般保証の枠内 |
保証割合 | 責任共有対象(80%) |
保証期間 | 【1】一括返済の場合 2年以内 【2】分割返済の場合 運転資金 7年以内(据置1年) 設備資金・運転設備資金 10年以内(据置1年) |
貸付形式 | 証書貸付又は手形貸付 |
返済方法 | 分割返済又は一括返済 |
担保 | 必要に応じて徴求 |
保証人 | 不要 |
保証料率 | 0.45%~1.90%(弾力化) |
貸付利率 | 金融機関所定利率 |
(3)担保型
申込人又は経営者本人が所有する不動産の担保提供があり、十分な保全が図られると判断された場合について、保証制度を問わず経営者保証を不要とすることが可能です。
※経営状況や担保の内容等により総合的に判断することになります。担保型で検討される場合は、事前に当協会までご相談ください。
2.期中(保証付融資実行後)の対応について
期中においても借換や条件変更により、経営者保証を不要とする取扱いが可能となります。
(1)借換による対応
「1.保証(申込)時の対応」で記載した3種類の取扱いを利用して、経営者保証を不要とする保証付融資で既往保証付借入金を借換することが可能です。
(2)条件変更による対応
「金融機関連携型」に該当する場合、条件変更により経営者保証を不要とすることができます。
(3)事業承継時における連帯保証人(経営者保証)の運用
事業承継時においては、旧代表者・新代表者の両方の経営者保証を要する取扱いは、原則として行いません。
【1】旧代表者の経営者保証が付された既往保証付融資について、新代表者の経営者保証の追加は基本的に不要とします。(保証人追加不要)
【2】既往の保証付融資の返済が正常であり、旧代表者・新代表者双方の意向がある場合、旧代表者の経営者保証を解除し、新代表者の経営者保証を追加できます。(保証人交替も可能)
3.経営者保証ガイドライン対応保証制度の廃止
信用保証制度見直しによる取扱いの変更に伴い、従来の「経営者保証ガイドライン対応保証制度」は平成30年3月末をもって廃止されました。
4.お客様向け資料『「経営者保証に関するガイドライン」に係るご説明』の改正
今般の改正に伴い、当協会で作成しているお客様向け説明資料『「経営者保証に関するガイドライン」に係るご説明』(PDF:342KB)の内容も変更しました。
新しい資料は当協会本支店にもご用意しておりますので、必要の際は当協会までご連絡ください。